介護施設において良質なサービスを利用者に提供するに当たって重要なこととは、施設設備や介護士の質なども大事ですが、最も重視すべきは「介護の方針が施設でしっかりと統一されているのか」という点です。
「同じ種類の介護を行っているのだから統一されているのではないか」と疑問に思うかもしれませんが、実際の介護の現場では介護士が恣意的に介護を行っている状況が少なからず存在します。
利用者の状態に合わせてサービス内容を変えていくことは重要でしょう。
しかし、それが施設の統一見解に基づいたものでなければ、介護の責任が曖昧になって大きな問題に発展してしまう可能性もあります。
臨機応変に介護内容を変えるにしても、その下地として介護施設の統一方針が存在している方が、結果的に良質な介護サービスを提供することに繋がるでしょう。
では、施設の介護方針を統一するためにはどのようにしなければならないのかというと、それは施設を管理・運営する管理職がどのような介護サービスを提供するのかを明確にし、職員からの賛同を得た上でそれを周知徹底させる方法が基本となります。
即ち、介護施設が良質なサービスを提供するためには管理職がそのことをしっかりと認識し、介護施設が目指す目標を明確に定めることが大事なのです。
昨今、人材不足などにより、そこまでの意識を持ち得ていない人材が管理職に就くケースもあります。
しかし、本来管理職が負う責任は非常に大きいものであるという点を十分認識しておかなければなりません。